カフェイン関連障害とは

 

●カフェイン中毒について

これまで精神科で取り扱う依存症の代表はアルコール依存症・薬物依存症・ギャンブル依存症でしたが、児童思春期の世代から簡単に摂取可能であり、精神依存と身体依存をともに起こすカフェイン依存症の問題が提起されています。米国精神医学会が作成したDSM-5という診断基準でも「カフェイン中毒」「カフェイン離脱」という使用障害が明記されています。
【カフェイン中毒の診断基準】
A. 最近のカフェイン消費(典型的には250mgを十分に超える高用量)
B. 以下の徴候・症状のうち5つ以上がカフェインの使用中または使用後すぐに発現する
    (1) 落ち着きのなさ、 (2) 神経過敏、 (3) 興奮、 (4) 不眠、 (5) 顔面紅潮、 (6) 利尿、
    (7) 胃腸系の障害、 (8) 筋れん縮、 (9) 散漫な思考および会話

●カフェインの特徴

カフェインにはアルコールやたばこ・違法薬物と違い、カフェインはスーパーやコンビニに数多く並ぶ商品に含まれています。
⇒ コーヒー、紅茶、緑茶、エネルギー飲料、栄養ドリンク、市販の痛み止めや風邪薬、チョコ菓子など


また精神科的には過呼吸や動悸などの不安発作・パニック発作を起こす方ではカフェインが誘発物となります。片頭痛をお持ちの方ではカフェイン摂取が頭痛発作の誘因となります。
 
カフェインの半減期(身体に吸収されて分解され半分になる時間)は約4-6時間とされ、カフェイン中毒の症状は通常1日以内に収まるとされますが、その人の体質やカフェイン摂取量により異なります。

カフェインの適量使用はリラックス・リフレッシュ効果が得られますが、慢性的なストレスや過重労働に従事していると、カフェインを毎日大量に摂取し続けて無理やり心身を動かしている状態になります。そのため、カフェイン離脱という症状を呈する場合があります。

●カフェイン離脱とは   

カフェイン離脱の特徴は長期間毎日カフェインを摂取していた人が急に摂取を止めるか、相当量を減量するときに現れる離脱症状になります。

【カフェイン離脱の診断基準】
A. 長期にわたる毎日のカフェイン使用
B. カフェイン使用の突然の中断または使用していたカフェインの減量後24時間以内に以下の症状が
     3つ以上発現する。
    (1) 頭痛、 (2) 著しい疲労感または眠気、 (3) 不快気分、抑うつ気分、怒りやすさ
    (4) 週ちゅう困難、 (5) 感冒様症状(吐き気、嘔吐、または筋肉の痛みや硬直)
C. Bの症状は臨床的な苦痛または社会的、職業的または他の領域の機能障害を引き起こしている
D. 以上は他の疾患や他の物質障害によるものではない

●カフェイン離脱の実際

カフェイン離脱によって以下が起こると指摘されています。
・注意力の持続などの認知と行動の障害。
・脳波検査でシータ波という意識レベルが下がった状態で見られる徐波が増える。
・仕事への動機づけが低下し、社会性も低くなる。
・離脱中の鎮痛薬の使用が増える。
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米国では、成人と子どもの85%以上が定期的にカフェインを摂取し、成人の消費量は1日280mgとされる。
カフェイン中断者の50%で頭痛が起き、他の離脱症状も併発するとされている。
いわゆる離脱症状はカフェイン最終使用の12-24時間後に始まり、24-48時間後にピークを迎える。離脱症状は2-9日間続くが、離脱による頭痛は21日間続くこともある。

●カフェイン摂取の目安

国によりカフェイン摂取の上限目安は異なりますが、一般的には成人で1日400mg、妊娠中の女性では200mgを摂取上限の目安とされています(厚生労働省のHPや各国の基準より)。


食品に含まれるカフェイン量は商品により異なりますが、厚労省のデータでは
・インスタントコーヒー・・・80mg/1杯
・コーヒー・・・60mg/100ml
・紅茶・・・30mg/100ml
・煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶・・・20mg/100ml
・玄米茶・・・10mg/100ml
いわゆる「カフェインなし」の飲料の代表は、麦茶・黒豆茶・爽健美茶・十六茶・ルイボスティーなどになります。マタニティコーナーにはカフェインレスの紅茶やコーヒーも販売されています。

●カフェインを多く含む日用品と妊娠について

お茶やコーヒーなどに加えて、いわゆるエナジードリンクは1缶で100mgから150mgと多くのカフェインを含んでいます。また、市販の風邪薬には1錠あたり10mgのカフェインを含んでおり、1回3錠を1日3回服用すると、1日90mgのカフェインを摂取することになります。

【妊婦さんがカフェインを控える理由】
カフェインは中枢神経のうち、脳や身体の働きを高める交感神経を刺激するもので、脳の覚醒作用・解熱鎮痛作用・利尿作用などが知られています。また胃酸分泌を促したり、血管の収縮作用があります。
妊娠初期では胎盤を経由して胎児に栄養を届けますが、血管収縮により血流が低下することで胎児の発育に影響を及ぼす可能性があります(流産や早産リスク)。またタンニンという成分を含んでおり、これが鉄分やカルシウムと結合してしまい、鉄分不足による貧血や骨の成長にも影響を及ぼします。カフェインは母乳を通じて赤ちゃんの体内に入るため、授乳中のカフェイン摂取にも気を付けましょう。

カフェイン使用障害のご相談

以上のようにカフェインは多くの食品や医薬品、飲料水に含まれています。ストレスや過重労働のある現代社会では、一時的に脳の働きややる気を高めるために毎日カフェインを摂取して試験勉強や仕事に取り組む方も多いと思います。

その一方でカフェインの連続使用はカフェイン依存や離脱症状を引き起こし、片頭痛を悪化させ、パニック発作や不安発作の頻度を増やします。そのために痛み止めや抗不安薬をもっと飲まなくてはいけなくなる・・・という負のスパイラルにもなります。

なかなか人には相談しなかったカフェイン使用について、ぜひ精神科的な観点から当院でご相談ください。

ちなみに漢方薬では葛根湯や麻黄湯、小青竜湯等についても不安発作やパニック発作への影響がありうるのでご注意ください。

クリニック案内

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医院名
豊田こころのクリニック
院長
大和 行男
住所
〒191-0062
東京都日野市多摩平1-4-19
藤ビル402号室

診療科目
児童精神科・精神科・心療内科
電話番号
042-584-2002

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